バックカメラの不具合診断と修理~アバルト500
昔あった車種のオマージュで生まれたフィアット500のスポーツバージョン、アバルト500です。
新車時にディーラーで2DINサイズナビを取り付けして、バックカメラも一緒に装着したようです。
バックカメラの修理依頼
「バックカメラは映らなくなってしまったので、診てほしい」
とのことで、入庫しました。
エンジンを掛けてバックギヤに入れると、画面は切り替わりますが、真っ暗でカメラ映像が表示されません。
「ナビが切り替わるがカメラ映像が表示されない」という不具合の場合、原因として考えられるのは3点です。
- ナビ側入力回路部分の不具合
- カメラ自体の不具合(電源または映像回路)
- 途中のケーブルの断線など
普通乗用車のバックカメラに限らず、トラックやバスでも同じ話です。
車両サイズが異なるだけで、基本的なことは変わりません。
実際にはナビに入力されているバックカメラ配線の途中で、原因箇所がカメラ側なのかナビ側を判断することが多いです。
不具合原因箇所を的確に判断
弊社独自のカメラ不具合時用診断ツールを使用して、どちらに不具合があるかを確認します。
どうやら、ナビ側は正常の様子。
修理するにもナビ側の方が金額が高くなりやすいので、少々ホッとしました。
カメラだけでなくケーブルや中継部分にも不具合原因
原因がカメラ側ということは、カメラだけでなく、車両後端まで伸びているカメラケーブルも疑う必要があるということです。
現在発売されているバックカメラは、昔のものよりも取付作業を考慮されて設計していますので、コネクタで中継されている箇所があります。
(まだまだ取り付けを考慮されていないメーカーも多いですが…)
カメラ形状を見て、「自分なら、この辺りで中継するだろう」と推測し、経験上接続されていそうな箇所の内装を外します。
有りました、中継コネクタ。
実際にはリヤハッチ内とリヤハッチを開けた横辺りの2ヶ所でした。
不具合原因1ヶ所はヒューズ。でも動作せず
コネクタ部分で確認したところ、電源が供給されていなかったので、さらに分解してヒューズホルダを探します。
ありました。
ヒューズが切れています。
ヒューズ交換して動作確認しましたが、カメラ映像が表示されません。
再度中継コネクタにて確認すると、コネクタまではカメラ電源は供給されています。
カメラ側が怪しいという判断になります。
カメラ側のコネクタ接続部を触ってみると、あれ?なんだか違和感があります。
コネクタがまだ奥に挿せそうです。
一度抜いて確認して、再度しっかり挿し直して動作確認すると…
カメラ映像がナビに表示されました!
根本原因は、中途半端な取り付け作業
どうやら原因は、カメラ取り付け時の中途半端な接続だったようです。
メーカーオプションなど車両製造時に装着されているカメラであれば、それほど心配は要りませんが、車両出荷後に取り付けされているものは、取り付け作業まで疑う必要があります。
自分が行った作業でも疑う必要はあります。
人間が行っていることですので、「自分の作業は完璧です」とは言えません。
冷静に状況から推測と判断をするのが、不具合解決の早道です。
バックカメラに限らず、何かしか不具合がある際には、ご相談ください。
他社取付のものでも構いません。
その車に何がベストかを常に考える
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