ムーヴキャンバススピーカー音質チューニング

以前、弊社にてスピーカー交換を実施させてもらいましたオーナー様から、音質向上施工のご依頼をいただきました。

ドアスピーカー音質チューニング実施したムーヴキャンバス
「以前スピーカー交換してもらったカングーからムーヴキャンバスへ乗り換えました。
ナビとスピーカーは付けてきましたので、音を良くしてください。」

よくよく車両の見てみますと、外付けアンプも追加されています。

機種固有の音色があるため、スピーカー選びは大事

スピーカー交換済のムーヴキャンバスドア
「えっ!もう交換済ですか!スピーカー機種選定と交換から弊社にお任せくださいよ。」
という気持ちは無くもないですが、既に交換済のものに文句を言っても始まりません。

弊社の宣伝不足です。

スピーカーは、それぞれ固有の音色がありますので、リアル感が向上するとしても、音色の感じは他に何をしても大きく変わることはありません。

スピーカー機種選択が重要なのは、「音色は変えられない」ということなのです。

音質向上チューニング、手法の1つは、音が出やすい環境づくり

取り付け方法やスピーカーが鳴りやすい環境を整えることでも、リアルな音の感じや音質は向上させられます。

やみくもなデッドニングは勧めません。

弊社で行うのは、いわゆるデッドニングではありません。

デッドニングもご依頼があれば実施しますが、通常の実施内容は「ご不満点をお伺いして、内容に応じたポイントを主に対処」です。

デッドニングは、音は変わりますが、良くなるとは限りません。

やり方と内容によっては、悪くなることもあります。

今回のご依頼は、「音を良くする」ことですので、「音のリアル感が増え、低音がビシッ、高音がキレイに伸びる」内容を施工します。

現状を把握して施工内容を熟慮

ドア内装を取り外したムーヴキャンバス
ドア内装を外してみますと、とりあえず「よくなるかも?」という思いで施工してあるものがいっぱいありました。

残念ながら、効果があるかは疑問なものもあります。
施工発想は良くても、効果の薄い材料もありました。

ドアを観察した上での施工ポイントは3つ。

  1. スピーカー裏面からの音をスピーカーに戻さず拡散させる。
  2. スピーカーとドア鉄板間の隙間を塞ぐ。
  3. ツィーターの音が出てきやすいようにする。

スピーカー裏面の音処理

スピーカーが振動すると表面だけでなく裏面からも音が出ます。

裏面からの振動は、ドア鉄板に当たって反射してスピーカーの振動板に音を返してしまいます。

スピーカーに音が返ってくると、音に悪影響を及ぼしますので、音が返らないように拡散させます。

ムーヴキャンバスに貼られていた効果の薄いスピーカー裏面の音処理材
実は拡散処理させる部材も付いていましたが、効果の薄い材料でした。

ムーヴキャンバスに追加したスピーカー背面音処理材
しっかり効果が出る、積水化学製「レアルシルトディフュージョン」に変更しました。

スピーカーとドア鉄板間の隙間塞ぎ

スピーカーから出ている音は、空気振動ですので、空気の流通があるところには音も通ってしまいます。

スピーカーが固定されている箇所も、隙間が空いていると音が通ってしまいます。

スピーカー背面の音が表に出てくると、スピーカー表面から出ている音を邪魔してしまいますので、音の純度が下がり、リアル感も落ちます。

裏面からの音は、表面とは逆の振動を持っていますので、低音を打ち消しあってしまい、低音も減ってしまいます。

ムーヴキャンバスでのスピーカー取り付け箇所の隙間塞ぎ
取り付け面の隙間を塞ぐことによって、背面からの音を表に出さないようにして、裏面からの音による邪魔と低音の打ち消しあいを防止します。

しっかりしたネジ締めは、密かなる重要項目

スピーカーを外して施工しておりますので、固定ネジを再度締め付けします。

ネジをしっかり絞め込むのは、とても大事です。

スピーカーは振動して空気に振動を伝えて、空気振動を耳と脳が音として感じます。

スピーカーのベースが一緒に振動してしまいますと、空気に振動を与えにくくなってしまいます。

ベースをしっかり固定するのは、空気をより正確に振動させるのに重要なのです。

ツィーターの音を出てきやすいように

ドアミラー内側の三角板に、高音専用のスピーカーであるツィーターが付いていました。

グリルと呼ばれる純正の保護カバーはプラスチック製ですが、成形の関係上、横向きに穴が成形されています。

プラスチックでの成形は、金属や布とは異なり、それなりに厚さがあります。

厚さがある上、横向きということは、運転席や助手席には穴が向かっていませんので、ツィーターから出た直接音が聴けません。

残念ながら、間接音を聴いていることになります。

弊社では、グリルに穴明けして直接音を運転席や助手席に届くようにした上、見た目の違和感が少なくなるように、サランネットと呼ばれる保護布を追加することがあります。

特にマツダ・アクセラアテンザのBOSE付車トヨタ・プリウスでの施工希望が多いです。

ドアミラー内側の場合、サランネットで全体を覆う方法になる可能性が高いので、違和感が出やすいです。

ムーヴキャンバスツィーターグリル斜め方向への穴変更
サランネットに頼らずに、穴の向きを変更してみました。

斜め方向から見ても、向こう側が見えますので、直接音が聴けるようになりました。

ムーヴキャンバスツィーターグリル穴方向半分加工
ちなみに、加工途中で、半分だけ加工してある状態です。

加工前と加工後の穴サイズが異なりますので、音の通りも違います。

直接音が聴ける状態になりましたので、ツィーターも運転席・助手席に合わせて角度調整して固定しました。

スピーカーなどの機材を変えずに音質向上施工した結果

元々のご不満点が「高音の伸びが今一つなので改善したかった。」とのことです。

施工後の音を聴いてもらいました。

「思った以上の音となり、満足できた。」とお喜びの声をいただきました。

ご不満点から解決方法を導き出します。


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