試聴車レクサスGSへフォーカル製ユートピアM取り付け
新しく弊社試聴車両(デモカー)の1台になった、レクサスGS350です。
当時のレクサス最新機材を総チェック
音質を良くする目的はありますし、着手内容も検討しておりますが、車両購入直後ですので、純正機材など総チェックです。
FM/AMラジオはもちろんのこと、CDやMDの再生機能はありますし、HDDへの録音・再生機能もあります。
DVD,USB,SD,Bleutoothオーディオ再生,ハイレゾ不可
DVD再生は、レクサスがメーカーオプションとして設定しているマークレビンソン製オーディオを装着してありますと、DVDチェンジャーが装備されますが、当車両にはありません。
後付でディーラーオプションの地デジチューナーも付いています。
USBやSDを差し込む箇所はありませんので、再生もできません。
ハイレゾ再生対応なんて、時代背景的に有り得ません。
Bluetoothは付いていますが、ハンズフリー機能のみでBluetoothオーディオの再生はできません。
スピーカーの数は多く、10個。低音の量は十分。
サブウーハーやセンタースピーカー、後ドアツィーターもあるため、スピーカーは10個も付いています。
25cm径サブウーハーが純正装着されているおかげで、低音の量は必要にして十分ではありますが、音としましては、モコモコしています。
スッキリした音のイメージは一切ありません。
トヨタの設計サイドとしては、「聴き疲れが無い」という設定なのでしょう。
純正オーディオの再生周波数解析を実施
モコモコしている音の原因として、高い音が出ていない場合もありますので、低音から高音まで全体域の音を出してみて、高い音(高い周波数帯)が出ているかの確認をしました。
(対数スケールoffなので、高い周波数のみの表示です。)
13kHz程度までフラットですので、スピーカーから出ている周波数としては十分優秀です。
15kHz以上の音は、超高音で、人によっては聞こえない場合もあるくらいの高い音なので、少々の減少ですし、そこまでフラットでなくてもokと判断します。
(20kHz超以上が急激に落ちているのは、音源がCDのためです。)
高い音は、出ているには出ているようですので、音がモコモコしているのは、あくまで音色の問題です。
参考までに、対数スケールonにして、全周波数の確認です。
80Hzが際立って大きいですので、聴いた印象通り、低音強めです。
弊社デモカーの考え方と方向性からのスピーカー交換
弊社デモカーは、どの車両もガッツリイジっていません。
「車買ったら音が悪かったので、なんとかしたい」というニーズを満たすために、ナビとスピーカー交換、場合によってはコンパクトサイズのサブウーハーを追加する程度です。
新しく導入したレクサスGS350も同様です。
純正ナビやオーディオは専用品で、エアコンまで組み込まれておりますので、ナビ交換で音を良くする手法が採用不可です。
スピーカー交換で様子を見ることにします。
取り付けするスピーカーは、フランス製最新モデル
2018年10月末に日本国内発表され、12月3日発売開始しました、仏フォーカル社製新スピーカー・ユートピアMシリーズを取り付けします。
セットになっている商品ではなく、車両に合わせて必要な口径のものを使用するイメージです。
口径ラインナップは、
- ツィーター(34mmベリリウム製 型式:TBM)
- 3.5インチミッドレンジ(87.5mm 型式:3.5WM)
- 6.5インチウーハー(165mm 型式:6WM)
- 8インチウーハー(200mm 型式:8WM)
- 10インチサブウーハー(250mm 型式:SUB10WM)
以上、5種類です。
ユートピアMシリーズの特徴
ユートピアMシリーズは、あらゆる部分に独自の特徴があります。
振動板は、動きが軽い上に剛性が高い特殊樹脂を使用した3層サンドイッチ構造ですが、どこのメーカーでも、高価なスピーカーは、それなりに特殊な素材を使用しておりますので、今さら驚きません。
M型インバーテッドと呼ばれる特殊構造こそが最大のメリット
ユートピアMは、名前の由来にもなっている、「M型インバーテッド」が最大の特徴であり、メリットです。
振動板の断面を観察すると、平べったい「M型」であることが判ります。
メリットは3つあります。
- 途中に折れを設けて平らな部分を減らすことによって、剛性が上がりました。
- 直径方向の平らなサイズを小さくすることで、不得意な固有周波数が無くなりました。
- M型頂点から筒を伸ばした先にコイルを設ける構造のため、大変大きいサイズのコイルとマグネットを採用可能になりました。
剛性が上がると、何が良いのか?
重量を増やして剛性を上げるのはカンタンですが、重量が増えると動きが重くなり、追従性が悪化して、信号に対してのリニアな動きにならず、結果的にリアルな音になりにくくなります。
重量を増やさずに剛性が上がるのは、リアルな音により近づきます。
不得意な固有周波数とは?
どのスピーカーにも言えることですが、直径方向の長さによって、再生が得意な周波数と不得意な周波数があります。
中心をずらして理論上の不得意周波数を無くしている機種もありますが、ユートピアMの場合、直径方向の長さを折れ部分で分割することによって、不得意周波数を再生周波数範囲外に排除する効果があります。
不得意周波数が無くなれば、あらゆる音はアンプからの信号に対して素直に反応し、素直な音になります。
大変大きなコイルとマグネットを採用した効果
通常のスピーカーよりも大きなコイルとマグネットは、磁力を高める効果があり、入力信号に正確に強力に反応します。
正確に動作するため、本来の音に近づきます。
また、コイル線の単位長さによる奥行きが少ないため、動きの最小単位が小さくなり、より小さい動作も可能になる効果も考えられます。
結果、小音量でも、しっかりリアルな音になりやすくなりますし、クラシックなどのピアニッシモも十分に表現できるようになります。
ベリリウム製ツィーターの高域がスゴい
ツィーター(TBM)のみ振動板素材はベリリウムです。
ベリリウムは、物理特性は大変優れているものの、製造が難しいと聞いています。
ユートピアMのデモカーを聴いた上では、気持ちよく伸びる高音なのに柔らかく、静寂感さえ表現するのを感じました。
GSへのスピーカー装着構成を考える
GSのフロントスピーカーは、ドア6.5インチとダッシュボード上ツィーターの構成ですので、通常であれば、ツィーターと6.5インチスピーカーの交換です。
3.5インチのスコーカー追加の3way化検討
GSでは、メーカーオプションで高級オーディオ「マークレビンソン」が存在する関係上、ダッシュボード上に3.5インチスコーカーを追加できるスペースがあります。
一切の無加工では無理ですが、追加を検討してみました。
ダッシュボード内部を加工することによって、物理的には入りました。
やるしかありません。
ドアスピーカーは、弊社標準取り付け使用で取付可能
レクサスGSの純正ドアスピーカーは、6.5インチ径 でした。
一部のトヨタ車と同じ口径です。
ドアへの装着スピーカーは、同様なサイズの6WMを採用します。
取り付け台座は、弊社オススメの鉄製を使用します。
同じスピーカーでも、台座の材質によって音が大きく変わることを承知しておりますので、採用しないわけには行きません。
ツィーターは、Aピラーへ穴明け加工取り付け
純正ツィーターが入っていたダッシュボード左右には、スコーカーを入れてしまう選択をしたために、ツィーターを装着する場所を検討する必要があります。
台座があるツィーターであれば、ダッシュボード上に置くことも可能ですが、台座が無い上に、少々大き目なサイズです。
Aピラーに着目しますと、結構太目で若干平らな面積があります。
若干はみ出ますが、パテ整形や表皮貼りをしない条件で加工取り付けすることにしました。
大きく違和感が無い状態だと思いますが、見る人によって「これならok」または「これでは許せない」という認識が異なると思います。
Aピラー内装をメーカーから取り寄せれば、元の純正状態にも戻せます。
レクサスGSにユートピアMの3way取付完了
取付完了しました。
ツィーター(TBM)は、少しはみ出していますが、許せる範囲でしょうか?
スコーカー(3.5WM)も、ダッシュボード内に取り付けしました。
ドアスピーカー(6WM)取り付け後、見た目は純正と一切変わりません。
新フォーカルの音は?
取付直後は「思ったほどでもない」が…
取り付けした直後に聴いてみましたところ、
「良さは分からなくも無いが、そこかしこ荒い気がしなくもない。ちょっと女性ボーカルでハスキーな音が有るかも?」
という印象でした。
通勤があるわけではありませんが、用事がある際に使用したりすると、
「あれ?音が良くなってる?」
という感想の繰り返しです。
取り付け後、約1週間で、
「ちょっと高かったけど、スピーカー交換だけなのに、これだけ良好になれば、満足満足。」
という思いに変わりました。
エージングによって、使えば使うほど良好に変化
使用時間によって良好に変化していくのを「エージング」と呼びますが、エージングでの変わりようが凄いです。
実際に、十分満足していたハズの弊社にある他のデモカーより良好で、音が濃い感じがします。
静寂感も大変高く、音が出る瞬間や、無音、静かな状態でも違いが分かるほどです。
スピーカー交換のみではありますが、ご購入希望とかご検討とか関係なしに、ぜひご体感して欲しいと思える音です。
全国的にも、純正オーディオとフォーカル製ユートピアMの3wayスピーカーのみで組み合わせてあるデモカーは珍しく、この車両だけかもしれません。
3wayでスピーカー取り付けしましたが、ワンタッチで2way(ツィーター&ドアスピーカー)でのご試聴もできるようにしてあります。
ご試聴ご希望は、お電話(055-952-3236)かお問い合わせフォームからどうぞ。
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