デモカーi-MiEVへのフルデジタルサウンド搭載
クラリオン製フルデジタルサウンドシステムを弊社デモカーi-MiEVに装着しました。
音の入り口から出口までデジタルのため、信号劣化が非常に少なく、音質向上が望めます。
すべてデジタルのため、消費電力としては非常に低いです。
すべて電気で賄う車両に低電力システムは、コンセプトとして非常に合致しています。
デモカーは、仕上がりの音を想像するための車
デモカーにはデッドニングを施していません。
通常、弊社デモカーへの施工内容は、おおよそ市販ナビ取付とスピーカー交換程度です。
デッドニングやスピーカーケーブル交換、アンプ追加やサブウーハーは取り付けしていません。(2016年7月の段階)
一部車両(今のところはカプチーノのみ)は、経年変化による劣化をキッカケに、バッテリーをキネティック製に交換しています。
「デッドニングをしないとダメ」とか「スピーカーケーブルを交換しないと、音は良くならない」と、他店様で言われるようなことは、デモカーには施工していません。
「音が悪いんだけど、なんとか良くならない?」というニーズの際、結果的に費用対効果が高いのはスピーカー交換ということが多いです。
「同時にデッドニングとスピーカーケーブル交換をしないとダメ」とは思っておりません。
追加分だけ費用負担も大きくなりますし、スピーカー交換だけでも現在より良い音になりますし、何よりお金を出す本人が満足することが一番です。
スピーカー交換からのバージョンアップを用意したい
より実情に合った試聴環境を常日頃考えつつデモカーをご用意しておりますが、スピーカー1機種に対して車両1台ですから、それほど多くのスピーカーは試聴の対象にできません。
スピーカー交換後の次の音もご用意したいという思いもあります。
クラリオンから発売された「フルデジタルサウンド」の導入です。
今のところ、カーオーディオ業界ではクラリオンしか発売していない、スピーカーまでデジタルのシステムです。
アンプがデジタルというのは他社でもありますが、アンプの出力は結局アナログです。
スピーカーまでデジタル信号が伝わって、スピーカーが振動するなんて…え?どういうこと?
原理を考えても教えてもらっても難しくて理解しにくいですが、デジタルのメリットとしましては、
- ノイズが無い
(音にとっては、とても重要!) - 接続がシンプルなので、ややこしくなく、純正スピーカー配線も流用できる
(高価な追加工賃の可能性を排除) - アナログより安価に良い音を求められる
(同じレベルの音にするなら、デジタルの方が格段に安価です)
エンジンノイズが無い電気自動車との組み合わせというのは、最良なのでは?との発想で、i-MiEVに取付するのは、割に早い時点で決定しておりました。
デモカー用機材群が到着して、すぐに着手開始です。
ブログで書いていた、一連のi-MiEVでのスピーカーの取付実験は、フルデジタルサウンドを取り付けするための前実験でもあったのです。
スピーカーに関しては、悩んだり紆余曲折がありません。
フロントスピーカー周りから開始
まずは、サブウーハーは後回しにして、ドアのフロントスピーカーとダッシュボード奥・純正位置のツィーター、スピーカーへの動作指示をするプロセッサーとコントローラーの取付をします。
ダッシュボード手前側に移設していたツィーターですが、純正位置に戻しました。
手前側の方が音の表現力も上がるのは比較実験で理解していますが、弊社にご依頼いただく方々のニーズとしましては、「見た目は純正のまま、変えたくない、でも音を良くしたい」というご要望が多いのです。
ベストな音ではなく、見た目ニーズを考慮した上での音作りですから、「どこまで良くなるの?」というチャレンジでもあります。
「純正位置でも、こんなに音が良くなるんだ!」という結論に達すれば、フルデジタルサウンドの性能の高さが分かります。
音と経年変化に弱い木材は排除
ドアスピーカーの取付方法に関しましては、一連の比較実験の結果を反映して、鉄&アルミ製オンナーバッフルボード(スピーカー固定用台座)と弊社オリジナル鉄製スペーサーでのM5メートルネジでの固定。
後々の経年変化に弱く、がっちり付けるのに不安が残る木材と木ネジは使用していません。
音量調整を含む設定変更などに使うコマンダー部分は、空いたスペースが少ない車種ということを最大限考慮して、灰皿の蓋部分へ。
タバコは吸わないので、使う上で全然影響ありませんが、小物入れとして純正通り使用することも可能な構造にしています。
デジタルの肝であるプロセッサーアンプ本体部分も、コンパクトながらも設置位置選考に難航を極めましたが、ダッシュボードを外した中に設置しましたので、見た目に影響は一切ありません。
見た目はなんとか小さいコマンダー部分が灰皿の蓋に固定されているだけの変更になりました。
お許しいただける範囲ではないかと…
グローブボックスの中に設置して見えないようにすることも可能ですが、音量調整することを考えますと、操作しにくい場所ですと、走行中の音量調整すら困ってしまいます。
調整または設定実施が前提
スピーカー部分の見た目は純正から一切変わりません。
最小構成(本体と操作部とスピーカー)での取り付けは完了したところで、音を鳴らしてみます。
あえての無調整(出荷状態)での音を聴いてみます。
あれれ…あまり芳しくありません。
スマホアプリ(i-OS用とアンドロイド用があります)で見てみますと、「まぁ良い音にはならないでしょう」という設定内容です。
接続ができているかの確認をするには、必要にして十分な内容です。
どこも壊す可能性がとても低い設定、逆に言えば「設定や設定が必要ですよ」という意味かもしれません。
ノイズレスなシステムであることは、無調整段階でも分かります。
簡易的にシステムに合わせた設定と調整を行って、音を再度出してみますと…
なかなかに響きが良い感じです。
今までに無いイメージです。
しっかり試聴しながら調整したい感じです。
(もちろん全部の取付が終ったら再度調整します。)
デモカー初のサブウーハー追加
今回はフロントスピーカーだけで終わりではありません。
弊社デモカーとしては初の「サブウーハー導入」です。
サブウーハーは、低音のみを出す関係上、サイズが大きくなりがちです。
トランクに設置することが多いですが、荷物を積む制約が発生しがちです。
シート下に入る薄型アンプ内蔵のものもありますが、車種が限定されたり、低音の量感に限度があったり、妥協せざるを得ない部分が多くなります。
音を求める場合、専用設計を必要とすることが多く、機材だけでなく施工費も高価になりがちです。
サブウーハーのコンセプトをイチから考える
今回、弊社デモカーのサブウーハー部分では、3つのポイントを考慮して設計しています。
- サブウーハーボックス少スペースによる荷物の搭載性を犠牲にしないこと。
- 「どうしても」の際に、サブウーハーを容易に積み下ろしできるように。
- 1台1台専用設計せず、汎用化することで、入手しやすい金額に。
1.サブウーハー少スペース化について
メーカーが発表しているサブウーハー用ボックスの推奨容量(約30~60L)ですと、元々絶対的なスペースが少ない軽自動車では、トランクスペースは無くなってしまいます。
もちろんi-MiEVでも同様です。
トランクをまるまる占領してしまうような「ハコモノ」は、興味のない方には「邪魔者」でしかありません。
ご主人が「音のためにサブウーハーを積みたい」と思っても、奥様から「邪魔だからダメ」ということ、多くないですか?
少スペース問題を解決すべく、弊社で取り組んだのが、「邪魔になりにくい最小サイズで、荷物搭載性能も落としにくいサブウーハーボックス」の製造です。
約10Lの容量を採用しています。
容量を確保するのが目的なのではなく、低音を補足して音を良くするのが目的ですから、目的の音が出れば良いのです。
2.サブウーハーの積み下ろしについて
「クラリオンフルデジタルサウンド」では、デジタル信号を通している関係上、途中でケーブルを切り離しできるようにはしていません。
切り離して他の線と接触すると破損させてしまうからです。
切り離すことができれば、「どうしても邪魔で下ろしたい」という時にサブウーハーを外して下ろすことが可能になります。
サブウーハーボックスの表面にコネクタを追加して、切り離せるようにしました。
もちろん、他のケーブルを接触しないような構造で設計しています。
3.専用設計ではなく汎用化について
1台1台専用設計すると、設計だけでなく製造コストも掛かってしまいます。
我々の業界で、サブウーハーボックスの一番簡易な形状である立方体形状や直方体形状のものでも、ボックス作成だけで6万円~のようです。
(弊社では、費用対効果と使い勝手を考慮して、初めてのサブウーハー搭載では、ワンオフでのサブウーハーボックスはオススメしていません。)
派手な見た目を求めず、デザインにこだわりがないのであれば、メーカーが作った汎用の箱でも必要にして十分なことがあります。
大量生産のおかげで、お買い得なこともポイント高いです。
i-MiEVで採用しているウーハーボックスは、なんと「1万円ちょうど」です。
直方体形状で見た目も変わらない上に性能を担保しているメーカー製で、しかも安価ですから、採用した方が良いでしょう。
メーカー設計だけに、使い勝手も考えられています。
- 平置きだけでなく、立ててもokです。
- 裏にひっくり返しても、サブウーハーが床に接触しないよう、足が生えてます。
- ボックスの上に荷物を載せても問題ありません。
- 小さく平べったいのでトランク容量も犠牲になりにくい上、ボックスの上に荷物が積めますので、ウーハーを下ろさなくても済むでしょう。
- どうしても、の際には下ろせます。
使い勝手だけ良くても、音がダメだと本末転倒です。
サブウーハー追加後の音は?
鳴らしてみますと、割に良い具合にドアスピーカーを補足してくれます。
サブウーハーだけが主張して鳴っている感じではなく、全体でしっかり音楽になっています。
不足もありません。
曲によっては「もう少し低音が欲しいな」という際には、手元のコントローラーのサブウーハーボリュームで低音の量は容易に増減できます。
スマホのアプリで調整して完成です。
見た目がほとんど純正のままで、サブウーハーも邪魔にならない使い勝手で、音も良好です。
施工は、音を犠牲にせずに金額を抑えた設計ですので、出てくる音の割に、とてもお買い得な仕様です。
9月に「ハイエンドカーオーディオコンテスト」のFDS(フルデジタルサウンド)クラスに、参加してきました。
音の箱であるナビやサブウーハー以外は同じ機材ですので、取り付けなどの優劣がハッキリします。
初参加のため、勝手がわからない部分もありましたが、審査員の先生からの音の評価としましては、悪くない内容です。
他社から見れば「ただ付けただけ」のハズですが、高音と中音の音色評価は、全14台のうち5位です。
フロントスピーカーの取付や調整などは上位ということになります。
評価が低いのは、取り付け性を最優先して音を若干犠牲にしたサブウーハーのみということになりますがコメントを読みますと「好みの範疇」と言える内容でした。
なまじデッドニングなどをやっても、「音に良い影響を与えるかは別の話で、あくまでチューニングの一種」ということが証明できている結果でしょう。
審査員の先生からいただいたコメントを全掲載しますと、
A先生のコメント:
「音像が大きく、フォーカスが絞られていない。
高域が詰まっている。
ステレオイメージが平板
低域は量感があるが、鈍重な印象。」
B先生のコメント:
「ヴォーカルは確かに最前列で聴くよう、クッキリ明瞭だが、それほど硬質ではない。
クラシックは最低域の伸びが若干不足するが、この価格で仕上げたシステムとしては、バランスは整っていて、十分によくできている。
輝かしさのないスムーズな音」
同じ車で同じものを聴いてもらってのコメントなのですが、人によって感じるものは大きく異なるのが、お分かり頂けると思います。
特に低音は「量がある」のか「不足」なのか、面白いです。
代車で出ていない限りは弊社にありますので、試聴も可能です。
(使用頻度が高いため、ご試聴はメールやお電話でご予約ください。)
「見た目が純正と変わりなく、不便にならないのに良好な音」いかがですか?
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