フェアレディZ33デモカーJBLオーディオ載せ替え
「JBL社のオーディオデモカー・フェアレディZ(Z33)ロードスターから、同じ車種へ乗り換えるので、載せ替えをお願いしたい。」
とご相談をいただきました。
滅多にお目に掛かれない仕様!?
「えっ?それってどういうこと?」
どうやらJBLで製作したデモカーを買い取ったオーナー様が、全損事故を起こしてしまったけど、同じ車種に乗り換えしたくて、オーディオ類も載せ替えしたいとのこと。
キレイで距離が進んでいないフェアレディZ(Z33)ロードスターを時間掛けて探して、車両購入ディーラーに載せ替えを依頼したところ、「外すのはできますけど、付けるのは無理です」と回答され、弊社へのご連絡をいただいた経緯のようです。
真新しそうに見える真っ白なZ33ロードスターに、オーディオ機材を満載してご来店くださいました。
既に車両からは取り外されている状態でしたので、どんな音だったのかは一切分かりません。
(とても興味があったのですが。)
載せ替えだと、前の状態を再現した方が良いのでは?と思っていたので、少々悩みどころです。
取り外した機材から、ご相談をお受けします。
前車両から外した機材群は、
- ドアスピーカー(ワンオフバッフル付き)
- ツイーター(Aピラーへ埋め込み加工)
- パッシブネットワーク(JBLスピーカー付属品)
- 25cmサブウーハー(純正BOSE付車用台座へ埋め込み加工)
- アンプ(サブウーハー用、アンプ形状が良く見える縦置き台座付き)
- 2DIN地デジ内蔵ナビ(不具合があるので、今回は使用しません)
- オーディオ周りのパネル(純正ナビ画面部分は既に小物入れ化済み)
カーナビは既に古くなっていて動作不具合もあるようなので、三菱電機製サウンドナビ(もちろん新品)を試聴の上でご案内。
追加をご希望されたバックカメラは、ナンバー上の狭いスペースにも取り付けできるコンパクトなものをお勧めします。
オープンカーであることもあり、後ろ周りの分解が大変手間な車両ではありますが、「アンプ台座を使用すると邪魔になるので、トランクへ平置きに変更」
「そのまま付かないようなら、若干の変更は可」
「前車両から外していないケーブル類は新品で」
など、ご要望を承りながら見積もり作成。
内容が非常に豪華なので、工賃もそれなりです。
若干使用機材を調整したものの、ほぼお見積り通りの内容で、ご依頼いただきました。
後日、車両を1週間お預かりしました。
通勤などでは車を使わないそうです。
趣味のお車ですから、ゼイタクな使い方です。
付けるだけだからカンタン?ではない!落とし穴いっぱい
ドアスピーカーから開始します。
ワンオフバッフル(取り付け用台座)が付いていますので、カンタンカンタン。
と思っていたところ、予想より状態が良くないです。
隙間が空いていると、本来の音は出ない
2枚の木材(多分MDF製)を組み合わせての製作ですが、板と板の間に隙間が空いています。
隙間が空いている=空気の通り道があるということは、音が逃げてスカスカな音になりやすいです。
案外、中音と高音にも影響がありますので、リアル感も薄くなります。
木材の防水効果も追加したいため、隙間はコーキング材で埋め、全体にも塗ります。
音のためと長く使うためには、大事な処理です。
バッフルとドア鉄板の間も、隙間に対しての処理が無いです。
通常弊社で行っております隙間埋め処理を追加します。
固定はボルトとナットでガッチリ固定します。
スピーカーを固定して内装を付けてみると…あれれ?内装と干渉してしまいます。
スピーカー固定位置がバッフルの中心位置ではなさそうです。
バッフル固定位置を変えてみると、ギリギリ内装に当たらない角度がありました。
アウターバッフルでなくても、より音を通りやすくする方法
グリル部分は加工してあり、弊社で高音質化の際にオススメしている「サランネット加工」を施してありました。
グリルを穴明けして音を通りやすくしてありますので、音質向上には効果あります。
(スピーカー保護の観点から、弊社の加工では、剛性部分を残して加工します。)
デッドニングなどは元の車両で施工してあったか不明ですし、弊社でも最初からは勧めておりませんので、今回は割愛して、素の音を確認してからにします。
どこを向いているのか、考え方が分からないツィーター固定
Aピラーに埋め込み加工済みのツィーターは、配線して取り付けするだけでしたが、固定の方向が弊社の考えと異なりました。
接着剤で固定してあり、角度調整して破損したら意味がありませんので、このままにします。
出た音で問題があれば、再考します。
ステアリングリモコンは、慣れると「無いと不便」
ナビの取り付けと同時に、ステアリングにありますオーディオ操作ボタン(いわゆらステアリングリモコン)も流用します。
慣れると「無いと不便」です。
純正ナビ画面は取り外して、小物入れ化です。
バックカメラは、ナンバーボルトに固定するタイプですので、取り付けスペースが無い車にも取付可能です。
純正位置にJBL製サブウーハー設置
純正のBOSEサブウーハーが付いているパネルをごっそり取り外して、既に製作されているJBLサブウーハーが付いているパネルに交換します。
大きな低音が出てもビビらないようにするためか、10本以上のボルトで固定されています。
便利な方が良いけど、ちょっとした工夫で見た目をグレードアップ
トランクへは、サブウーハー用アンプを、ご希望通り平置きします。
トランクを使用するには、平置きの方が便利になります。
アンプを直接置いても良いのですが、表面を革で包んであった既存アンプ固定パネルを分解して、利用します。
ちょっとしたことですが、見た目が少しだけ高級な感じになりました。
平穏無事に使うための配線施工
アンプ用電源ケーブルは、バッテリーから直接引き回します。
使用電力量に見合った太さのものを使用します。
安全を考慮して、バッテリー直後に保護用ヒューズを装備します。
エンジンルーム内配線は、熱対策と整備の際の傷付き防止に、コルゲートチューブへ通します。
見た目の派手さは一切ありませんが、使用上、何も事故や不具合が無いのが一番です。
やることをやれば、BOSEアンプも純正ナビも取り外し可能
純正BOSE付車ですが、オーディオを市販品にしてスピーカー交換とスピーカーケーブルの接続変更をしてしまえば、BOSE製アンプは不要になります。
純正カーナビ本体にもスピーカー配線が通っている関係上、通常は純正ナビ本体は取り外しできません。
外すとスピーカーから音が出なくなります。
カーナビのスピーカー出力を直接スピーカーに接続すれば、純正ナビを外しても不具合は発生しなくなります。
純正ナビ部分を小物入れ化
純正ナビを外した箇所へ、純正小物入れを装着します。
見た目がさらに「純正ナビ無し車化」します。
純正ナビ付車では、小物入れ用の内部フレームが無いため、重いものを入れると歪んで外れてしまいますので、あくまで「見た目チューン」と思った方が無難です。
(注:作業の手間がとても掛かりますので、工賃は高めです。)
接続して内装を戻す前に動作と音の確認
接続が一通り終わり、内装を装着する前に、正常動作するか、不具合が無いかを確認します。
組み終わってからの確認ですと、何かあったときに二度手間三度手間になります。
しっかり事前確認することが重要です。
動作は問題ありませんでした。
音は、ちょっと、いや、とてもビックリな音が出ました!
良い意味ではありません、悪い意味です。
元がデモカー用機材でも、設定によってはダメ
音がモヤモヤしています。
ウーハーがボコボコ言ってます。
機材の設定を一切変更せず、良くなる変更を盛り込んではいますが、同じように組んでいるので、改善することはあっても悪くなることはありません。
細かく設定などを確認していきます。
ネットワーク設定だけでも音は変わる
スピーカーのパッシブネットワークの設定は、明らかに弊社好みではありません。
勝手ながら、設定変更します。
すんなり良好で自然な音になりました。
アンプのボリューム設定も大事な項目
ウーハー用アンプのゲイン(ボリュームみたいなもの)が最大値に設定されていました。
運転席直後にあって距離が近いのにフルボリュームでは、バランスが悪いだけでなく、歪みも大きくなります。
適正ゲインに調整します。
社外マフラー装着車なので、走行中の音を考慮して、ウーハーからの低音は少しだけ大きめにしましたが、良いバランスです。
純正サブウーハーに付いていたグリル(スピーカー用保護カバー)を装着すると、エネルギーが多いせいか、小さい音でもビリビリ鳴ってしまいます。
お客様へ確認して、外した状態での納車です。
作業最中に判明した諸々の事項を考慮しますと、前車両と同じ音にはなっていないと思われますが、少なくとも悪い音では無いはずです。
お客様のご確認で「とても良くなった!」
お客様へ納車の際に、出来上がりの動作と音をご確認いただきます。
動作は問題ありません。
バックカメラの固定角度も、確認しながらの再固定を実施します。
音は、「前と全然違って、とても良い」とのコメントをいただきました。
あれれ?以前はデモカーだったんですよね?
メーカーで組んだのかショップで組んだのか分かりませんが、良好ではない音の車両をデモカーとするのであれば、業界の一員として心配です。
機能だけでなく、音にもご満足いただけて、無事納車完了です。
ご希望の機能と音はご相談ください。
フェアレディZ(Z33)のカーナビやオーディオは、お任せください。
「純正ナビから市販ナビに交換して、純正ナビ画面部分を小物入れに付け替えしたい」
「できればスピーカーも交換して、より良い音にしたい」
などなど、ご希望をお知らせください。
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